私は専業主婦。夫と子どもとの3人家族です。
待望の第一子に恵まれ、初めての育児に忙しくも幸せな日々を送っていました。
そんな暮らしに暗雲が立ちこめたのが、子どもが1歳になった頃です。
この頃は、食事のときにスプーンを使ったり、クレヨンでお絵かきをするようになりますが、いずれも我が子は左手を使うのです。
右手に持ち替えさせたりも試みましたが、また自分で左手に替えるのです。
でもまぁ、これもこの子の個性だと楽観的に考えていた私ですが、
近くに住む義両親から思ってもみなかった言葉をかけられるようになりました。
「左手で箸や鉛筆を持つ姿はみっともないぞ。」
「お行儀も悪く見えるわね。」
義両親からは右手への矯正を勧められました。
同居はしていないものの、嫁という立場から、はっきりと否定するのも角が立ちます。
ですが、
子ども自身が義両親からの言葉の意味をしっかりと理解できるようになってからでは遅い!何とかしないと!と思うようになったのです。
そこで、私のとった行動をご紹介します。
目次(もくじ)
親のなすべき行動!「子供のありのままの姿を受け入れ、この子らしく成長させること」
私は腹をくくりました。もちろん義父母との良好な関係も大切ですが、私にとって一番大切なのは我が子の存在です。
ありのままの姿を受け入れてあげたいですし、またその方がこの子らしく成長していけるはずです。
夫婦で話し合った結果、矯正はしないという結論に至りました。
理由① 左利きの人は物事を多面的にとらえる能力に優れている
私なりに左利きについて調べてみたところ、今まで知らなかった事実がいろいろと分かりました。例えば、遺伝研究の第一人者アマル・クラー博士は、ノーベル賞受賞者や作家、画家の多くは左利きであるという指摘をしています。確実な偏りがあるそうなのです。左利きの人は物事を多くの面からとらえる能力に優れていて、複雑で論理的な思考にも対応が可能なのだそう。事実、アルベルト・アインシュタイン、アイザック・ニュートン、トーマス・エジソンら科学は皆、左利きです。マイクロソフトの創業者ビル・ゲイツも左利きですし、近代の歴代アメリカ大統領も左利きが多いようです。確かに私もこれまでに「左利きの人は頭が良い」などという都市伝説(?)を何度か耳にしたことがあります。左手を頻繁に使うことが脳に良い影響を与えているとしたら、これをわざわざ変えることに何の意味もないはずです。このことで、我が子にも何か高い能力があるかもしれない…と思ってしまうのは親馬鹿ですね。少なくとも、左利きであることには何らかのメリットがある(一方で、デメリットもありますが…)はずなので、個性のひとつであると受け入れてあげれば良いだけだと分かりました。
理由②子どもの持って生まれた特性を変える権利はない
自分なりに調べ、考えていくうちに、親として子どもが持って生まれた特性すべてをありのまま受け入れたいと強く思うようになりました。どんな子どもであっても、生きていてくれるだけで幸せを感じられるのが親なはず。子どもの存在すべてを受け入れてあげられるのも親だけです。そしていくら親であっても、子どもの生まれながらの特性を変える権利などないはずです。というか、人間はそんなに簡単には変わりませんし、変えることなどできません。自分自身について考えてみても、人間的な根っこの部分は何十年と生きていてもなかなか変わってはいません。とてもキレイな“赤”を無理して“青”に変えようとしたら、奇妙な色になってしまいます。左利きという子どもの個性についても、同じようなことが起こってしまうのではないでしょうか。
無理に利き手を変えることのデメリット
かつて、左利きというのは“矯正すべき欠点”としてとらえられ、“隠すべきもの”という風潮があったようです。幼い頃、厳しく矯正されたという年配の方の話も聞いたことがあります。戦後すぐに生まれた義両親もきっと、このような価値観なのでしょう。ですが、時代の変化とともに社会の価値観も変わってくるものです。最近では、左利きを無理に矯正することにはいろいろなデメリットがあると分かってきています。例えば、自己肯定感が育まれません。利き手を変えることは一朝一夕にはいかないからです。何度も注意され、やろうとしてもなかなか上手くいかないことから、子どもは自身にその原因があると思い込んでしまうのです。能力や努力が足りないのだと。また仮に矯正できたとしても、もともとの右利きの人のようには上手くできない可能性もあります。何事も利き手である左を使った方が上手くいく可能性は高いはずです。
参考:https://toyokeizai.net/articles/-/201195?page=2
まず第一歩は、夫を通じて義両親に「決意」を伝え、「弊害」理解してもらうこと
まず、夫を通じて義両親に私たちの決意を伝えてもらうことにしました。
子どもの成長を温かく見守ってくれるようお願いすることにしたのです。
実は数年前にスマホデビューをした義両親。利き手を変えることの弊害について記載されたページURLも送ってもらい、熟読してもらいました。
私の夫は、両親、とくに母親にはかなり気を遣うタイプなのです。予想していたのですが、はじめは自分が義両親に伝えることに難色を示していました。「気持ちは分かるけど、かなり言いづらい…」と。
けれどもし、夫が伝えてくれなかったとしても、他でもない我が子のことですから、私が勇気をもって伝えていたと思います。
ただ、ストレートに伝えたり、URLを送りつけるのは、トラブルにつながりそうなので避けたいところです。
「子どものことを心配して下さって、ありがとうございます。」と、まずは心遣いへの感謝を前置きした上で、
「検診でお世話になった保健師さんから、利き手の矯正には弊害がつきものだと言われてしまったんです。」とか「かかりつけの小児科医さんが、~」など自分以外の第三者を主語にしてやんわり伝えると無難に収まるはずです。義両親も、嫁ではなく専門的知識を持った方の意見であれば、すんなり聞いてくれるはずだと思います。
義両親との価値観の違いが子育てに対する見解の相違につながってしまうと、なかなか辛いところがありますね。
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